2002年11月 / Noviembre, 2002
レアル・デ・カトルセ
直訳したらばスペイン語で”14の王族”となる町
メキシコ中央高原のやや北東寄り、サン・ルイス・ポトシ州の外れの山間部に位置する
標高2756m
先住民ウイチョール族の聖地でもあり、銀山の廃墟と幻覚サボテン”ペヨーテ”で有名
もともと18世紀の中ごろに興った銀鉱山で栄えた鉱山町であり、
最盛期の19世紀後半には年に約300万ドル分もの銀が生産されていたらしい
その意味では本来はメキシコの他の銀山で栄えた美しい街、
グァナファトやサカテカス、タスコなどと同様な街であったはずである
が、
1910年のメキシコ革命時、
この町の運命が変わる
メキシコ革命の混乱に乗じ、山賊がこの山間の僻地の街を占拠、
4万人いた住人を追い出してしまった
それ以降、この街はほぼ”Pueblo Fantasmal”(=ゴースト・タウン)となった
(という話ですが、ただ単に銀の鉱脈が枯渇しただけという話もある)
現在の人口は約1200人。恐ろしく小さい田舎町である
(だんだん人が戻りつつあるみたいだけど)
町の名前の”14の王族であるが、
アメリカのガイドブック”Lonely Planet”(日本での通称は”ロンプラ”)では、
「1700年代にここでスペイン兵14人が先住民によって殺されたから」
とか書いてあるのだが、
自分の意見としてはこれは眉ツバだと思っている
(確かに "Real" は意味の第1義は「国王の、王立の」ですが、
それで”スペイン(国王の)兵士14人”という意味に解釈したのであろうか?)
メキシコでは14(カトルセ)という数は何か曰くのある数らしく、
例えばプエブラ州とかには”カトルセ・トルティーヤ”
(14のトルティーヤ。トルティーヤはトウモロコシ製の薄いナンのような食品)
という果実酒があったりする
( 国道119線、Zacatlan de Manzanas市)
この場合もなんで14なんかはよくわからん
また、カトリックの教義上では14は特別な意味があるとかなんとかいう話もある
ま、そんなこんなでこの14は別段この土地に由来するものではないと思う
ま、こんな感じなんでこの14という数字はともかくも
Realというスペイン語が王族でも真実でもどっちゃでもええねんけどもね
また、この町はメキシコ中部の先住民族”ウイチョール”(Huichor)族の巡礼地でもある
(レアル・デ・カトルセのウィチョール名はWiricuta:ウィリクタ)
ウイチョール族は聖なる植物として幻覚サボテン”ペヨーテ”を用いる
(”ペヨーテ”は一種のドラッグ的植物)
そのペヨーテを採りに来るのがこのレアル・デ・カトルセ周辺の山野である
そのため、
20世紀後半のヒッピー全盛期にはここは”ペヨーテ”の町として知られるようになる
今でもペヨーテのためにやってくるものが多い
さて、このレアル・デ・カトルセ、
アメリカやヨーロッパでは結構有名なのだが日本ではほとんど知られていない
何故か。
それは、日本人バックパッカーの必携ハンドブックともいうべきガイドブック、
”地球の歩き方”(単に”歩き方”とも)に載ってないからでしょうな
行ってみての感想は、「どえらい辺鄙なところ」です
でも首都メキシコシティー(通称D.F)から行ったから遠かったのであって、
近くの近代都市Monterrey(モンテレイ)からならば車で3時間半
(とモンテレイから自家用車で来てたカップルが言うてた)
ルートを選べば僻地とまではいえんな
ともかく、お薦めできるところです
周囲に広がるサボテンの原野だけでも一見の価値あり
行く気力があれば、の話ですがな
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